真言宗の二代有力団体のひとつである親鸞会を脱会したいと思っていませんか。人生では教えが救いになる時もあれば、信仰への思いが続かない時もあるでしょう。2018年の世論調査では、18歳以上の日本人で宗教を何かしら信仰しているのは36%程となっています。
その中で信仰心を持つ人が2008年から10年間で減少しているのですから、宗教から離れることは珍しいことではありません。ここでは、親鸞会の脱会方法やその理由について紹介します。

まずは、自分がやめる覚悟を持つのが第一歩

親鸞会との関係を絶ちたいのは誰でしょうか。自分ですか、それとも家族や友人ですか。宗教から離れるにはそれなりの覚悟が必要です。なぜなら、親鸞会で苦楽を共にした仲間達は、突然仲間の一人がそれまでの信仰を捨てると決めたことに対して驚きを持つでしょう。
心配のあまりに去った仲間を追い、自宅や勤務先などに現れて丁寧に説得を促すかもしれません。関係を絶ちたい本人も、かつて友人や仲間であった人達の意見や話に対して、全く耳を傾けないのは難しいことです。純粋な気持ちで戻って欲しいと願う信者も少なくはありません。しかし、いくら辛いとは言え明確に自分の意志を伝えるのが重要になります。

今後関わりたくないと意思表示し、二度と信仰を持たない覚悟を持たなければ、再び宗教へ戻ってしまう可能性もあるのです。宗教をやめたと言えば、本来ならばそれで脱会は完了していますが、実際にはあまり簡単ではありません。親鸞会を完全に脱会する第一歩は、誰の意見でもなく脱会したいと本人が決定することと言えます。

連絡や訪問は断り退会届を郵送する

しかし、脱会した信者に対して、引き止めるメールや電話連絡があるケースは多いです。二度と連絡は取りたくないと返事をして、聞いてもらえなければ警察への相談を考えていると意思表示します。訪問を受けた場合は実際に警察へ連絡をしてください。
通報しても警察はかつての仲間や信者を逮捕するようなことはありません。次回以降、訪問を受けた場合に通報の記録が残っていると適切に対処してもらえます。その上で、退会届を親鸞会へ提出しましょう。専用の用紙は文具店などで入手できます。
弁護士に依頼すると手数料が高額になるので、お金をかけたくないなら自分で記入して郵便局から内容証明郵便を利用し郵送します。文面には、退会しますや、今後の接触は拒否しますなどと書いて親鸞会の代表役員と講師やサークルで一緒だった先輩などに提出すると良いです。また、大切にしてきた携帯六字名号も本部宛に郵送します。書留や宅配便などを利用して、受け取りの証明ができる方法を選択するのがポイントです。

脱会で良くある理由とは

親鸞会の信者は新たな入会者を増やす役割が与えられています。
近年では、入会者を増加させるために入会する条件のハードルが下げられている傾向にあって、信者が行う伝道布教活動の負担が大きくなりがちだと言われているのです。加えて、お布施に対する負担も大きくなっています。
例えば、布施行として弁当屋に行き早朝から炊飯するなどの労働への疑問が、脱会を希望する信者が良く持つようです。日本各地に建設されている親鸞会の会館には多額の建設費などがかけられていますから、収入源であるお布施は重要ですし、入会者を増加させる理由にもつながっているのでしょう。信者によっては、自宅近くに会館が建設されると、阿弥陀仏によって建てられたような気分になり、信仰に対する喜びを感じる場合もあります。
しかし、近所に住む信者が会館の電気や水道のメーターをチェックし仏壇の管理などをするのは、日常生活の中で行われるため負担が大きいものです。信仰に良いこととされている事柄への負担が大き過ぎたと感じることが脱会の理由になっていると言えます。

アニメ映画ができて法話に変化が見られた

親鸞会はアニメーション映画などを制作し、教えを分かりやすく信者や人々に伝える努力をしています。一人でも多くの人に信仰を広めて救いを与えたいと言う宗教は親鸞会だけではないでしょう。
アニメーション映画であれば親鸞聖人の言葉や教えが、子供や宗教観の乏しい人であっても理解しやすくなるのかもしれません。しかし、会長が開く座談会や法話でも、映画のシナリオを元に話が進む機会が増えているのだと言われています。親鸞会の会長は、あまり真言宗の話をしないかわりに、再び聞きたいと感じさせる面白く分かりやすい内容を話すことで信者の期待に応えていました。
会長の話を聞きたいから、厳しい布教活動も多めのお布施も苦ではなかった信者が、法話の内容に変化が起きていることを残念に思う傾向にあります。人の話を面白いと感じるか、そうでないかは人それぞれですが、内容が自分には合わないと感じるのが退会の理由となるケースは少なくありません。

まとめ

親鸞会から離れる理由は人それぞれですが、会長の法話に興味がなくなったり、勧誘活動やお布施などに対する負担が大きかったりしたことなどが言われます。親鸞会を脱会するには、二度と宗教へ戻らない覚悟が本人に必要です。
再び勧誘された時に断り切れなければ関係は絶てません。親鸞会と関係を絶つことを意思表示し、退会届などを郵送して言葉だけでない退会の証拠を作るのが大切です。